FREEZ × NARISK LONG INTERVIEW
6月のデジタル先行リリースにより、既に耳にしているリスナーも多いと思う「It's Tough Being a Man」この作品は通して聴くことをオススメする。POPYOILによるアートワークが施されたCDをぜひ堪能してほしい。
紛れもなく福岡のアンダーグラウンドシーンを代表し続けるラッパーの1人であるFREEZ。
近年は福岡に留まらないアーティストとの制作を意欲的に発表し続けている気鋭のトラックメイカーNARISK。
苦楽は続くが暗くはない。2人の真剣かつ柔らかい表情が浮かび上がるような今作についてのインタビューをどうぞ。
福岡の夏は例年より暑く、話題に上がる太宰府は日本一の気温を記録した日にメールで敢行しました。
*途中、2人のソロインタビューも挟んでお送りします*
[ FREEZ→F / NARRISK→N / 聴き手→■ ]
■簡単な自己紹介をお願いします。
F: MCのFREEZです。
N: 福岡を拠点に活動しているトラックメーカー/DJのNARISK(ナリスケ)です。
■今回2人で制作する事になったきっかけを教えて下さい。
N: FREEZさんから「曲を一緒に作ろう」という声をいただいて今回の作品の代表曲でもある『悲しくて。』から始まりました!
F: 『悲しくて。』は、USのトラックに乗せて出来が良かったので、NARISKにREMIXしてもらったのがきっかけです。とてもメロウでグッときた。寅さんの声ネタも入っていたので、映画のようなアルバムを作ろうと考えました。
■あの寅さんのSEは印象的でした。リリックにインスパイアされて選んだんですか??
N: そうですね!曲を聴いた時点でFREEZさんを若い頃から見てきた自分としては完全にインスパイアされましたね。
■「It's Tough Being a Man」- 邦題で「男はつらいよ」というタイトルもここから膨らんで行ったということでしょうか??
F: 完全にそうです。今アメリカに住んでいるDJ ASAKURAに英訳を相談して、このタイトルになりました。
■FREEZさんの発案かと思っていたので、意外でした!個人的な感想を伝えさせて下さい。
ラップに関してはFREEZさんのこれまでの作品のいい部分が濃縮されているように感じました。「Digital Underground」のDOPEさ、「i」のSOULっぷり、夏という季節もあり軽快さは「GOOD SUMMER MIX TAPE」がよぎる瞬間も。
NARISKのBEATは決して前に出過ぎないサウンドトラックだなと。そして時代の流行り廃り無く、いつでも真ん中で聴ける王道感と”南っぽさ”を感じました。
どんな作品にしようと話して進めてきましたか?
F: 自分は「i」のソウルフルな表現方法と、みんなが求めているであろうハードコアスタイルの同居を目指しました。NARISKが初期の段階で色んな作風のトラックを送ってくれたので、絶対にやりたい、と感じるトラックにリリックを乗せて行きました。
N: 作品作りの進行はFREEZさんの作品に対する全体イメージを確認し、僕なりのフィルターを通してトラックを作って行きました!個人的に、これまでのFREEZファンの方々は勿論、それ以外の人達にも聴いてもらえるよう僕なりのポップさを詰め込みました!
■制作期間中からFREEZさんから「NARISKの制作へのモチベーションの高さが刺激をくれる」と聞いていたのを思い出します。平坦や無難ではなく、とてもお互いの”らしさ”がバランス良く詰まっていて、あっという間に1周しますね。トータル分数のタイトさについて狙いはありましたか?
F: 最初からEPのサイズにしようとは言っていました。
■逆にリリース予告や『Cali』のMV公開からは約1年経っています。制作期間を長く取った理由はありますか??
F: 今回はじっくり、ゆっくり良いものを書こうと思って、時間が掛かってしまいましたね。
N: 『Cali』時点で全体の半分以上は出来上がっていたのですが、『LIFE IS A MOVIE』をしっかり作り込みたいというところで時間を掛けたと思います!
F: その間に男は『つらいよ50』を映画館に観に行ったり、プライベートで色んな出来事を経験したり、リリックに活かせたと思います。
■制作のやりとりについては、どんな風にコミュニケーションをとって進めていきましたか?
N: "悲しくて"以外はBEATが先ですね。メールでトラックやラフミックスを送り合いながら、タイミングを見計らい直接会ってお酒を交えながら全体の話を進めていきました。
■リリックを書いた期間はいつからいつ位ですか?
F: 多分去年の夏から、五月ぐらいだと思います。ギリギリまでやりました。
■FREEZさんの魅力の1つだと思います、声の歪みにより生っぽさが出て、独特の質感だと感じました。RECは全て自宅でしょうか?
F: RECは自宅ORENCH MOB STUDIOです。自分が出来るギリギリまでアカペラをMIXして、NARISKに送って更にいい感じに処理してもらいました。
■そしてMIXは全てNARISKですね。ボーカル処理など注力したポイントがあれば教えてもらえますか?
N:トラックとの兼ね合いで宅録りのハードな質感を壊さず、立体感を出せるようにエフェクトを加えて加工しています。『Cali』は僕からコーラスも入れて欲しいと、加えてもらったことが工夫したポイントです。今までFREEZさんの楽曲にはなかった試みだったと思います。
F: 『Cali』のコーラスは挑戦でした。何回も録りました。
■そういったアレンジのリクエストは随所に盛り込まれているように感じました。リリックの書き直しや、イメージに向けた録り直しなどリテイクもありましたか?
F: リリックは書き直し、録り直しがないよう、究極VERSIONを渡して行ったと思います。渡す前の段階では、途方もない数リテイクを重ねています。アカペラを送ったらNARISKがトラックを更にいじってくれるので、毎回更に上がりました。
N: そうですね!ラフのループを送って歌詞が乗った状態から僕がアレンジを加えて行きました!その間に、小節間など調整する点は細く話し合って行きましたね!アレンジは納得いくまで行ったと思います。
■アートワークはPOPYOILさん。どんな経緯とイメージで依頼しましたか?
N: お互いイメージだったり、コラボしてみたいアーティストを出し合いながらも、最後は絶大な信頼があるPOPYさんで行きたいということでお願いしました!イメージについては、FREEZさんが作品全体のイメージをPOPYさんに伝えてもらいましたね。
F: POPYは常に最高だからです。何枚も色んなデザインを見せてもらって、最終的にシンプルな手描き風のデザインがバシっと心にきました。よく見ると、ロボットのコックピットに嫁と子供が乗ってコントロールしているように見えて、今回のコンセプトにピッタリだと思いました。
■POPYさんのシンプルなイラストは、作品の”侘び寂び”が集約されているように感じました。FREEZさんとの長い信頼関係というのも映りこんでいるように思います!
そして音に関してはマスタリングはGREEN HOUSE aka 長老さん。そこも絶大な信頼ですね。その他にも、リリースに当たってのチーム編成を教えて下さい。
N: サブスクリプション配信の流通は僕がお世話になっているIDEIさんという方にお願いしています!
F: 制作は俺とNARISK、マスタリングが長老。ビデオはKOWA YUKIMASA、PPY、もうすぐ出るダイジェストビデオにLIVERA RHYTHM。ストリートプロモーションチームはHARADA、DOPE、KO-KAという感じでしょうか。
■今回はDARAHA BEATSからでなくBASE SOUNDZからのリリース。復活したBASE SOUNDZについてと、メンバーについても紹介してもらえますか?
F: (BASE SOUNDZ の本格復活は)もうすぐ二日市にスタジオを作るので、それからですね。二日市&太宰府の若いMC、トラックメイカーをHOOK UPしつつ、親不孝時代の繋がりがあるアーティストとも仕事をして行こうと思っています。
MIX CDはBASE STAFFのDJ KO-KAをリリースしています。インストアルバムとして東京のmendocci 、今決まっているのはBOLYのMIX CD。
スタジオが完成したら、配信&CDRメインでガンガンリリースしていく予定です。目指しているのはトロージャンのような悪徳レーベル。
(DARAHA BEATSの)HARADAは今もマネージャーです。KO-KAとDOPEは出来る事をやってもらう感じですね、フライヤーを巻いたりとか、CD出た後の挨拶まわりとか、各方面へメールしたりという広報や営業ですかね。
■スタッフの充実もFREEZさんの活動のエネルギーに繋がっていそうで何よりです◎
(各楽曲について)
■1. 『悲しくて。(2020 Ver.)』
N: 曲名の通り、凄く悲しいです。ただ僕は男として凄く共感出来る部分があり、悲しんですけど勇気も出てくる曲だと思っています!
F: リアルシット。絶望的な唄だけど、ライブで唄うとみんな唄って楽しそうだから音楽って不思議。
■これ僕も凄い好きなんですよね。。LIVEで聴くと特に何とも言えない気持ちになります。PARTYの中でセットに入れてくる辺りもFREEZさんの強靭さがあるし、確かに皆んな歌えるHOOKですね。初めて聴く人たちはスゲー顔しながら聴いてたり(笑)リアクションは様々ですが、名曲だと思います。何でこんなリリックを書くようになったんですか?「i」の続編的な流れで?
F: とんでもなく落ち込む事を言われて、ヤケクソで呑み行って、ベロベロで帰って書いて録った曲。わざわざ曲にしてるんだからそんなに深刻ではない(笑)
■豪快!! 心配ないということで安心しました◎
■2.『 B.D.B』 - ブギダウンベイベーの略ですかね?昔からLIVE中に口ずさんでるフレーズですよね。
F: そうですね。『悲しくて。』の次の曲なので、カラッとしたPARTY TUNEを作ろうと思いました。色んなHIP HOP ARTISTをシャウトしています。
N: この曲は僕のお気に入りです!完全に騒げるやつで夏のドライブにもいけるやつだと思います!
■3. 『UGK』- 悲しくてのHOOKとは対照的なフロウで、HOOKの唄… 上手いですね(笑)
N: この曲は、少しトラップをイメージしています!この曲でFREEZさんが歌が上手いということを認識しました(笑)
F: これは自分がUGKというグループが好きでそんな感じのビートを選びました。今回は『悲しくて。』『Cali』でも唄っているので、これも唄ってみました。リリックも気に入っています。
■FREEZさんの福岡での立ち位置にも相応しいフレーズですね!
■4. 『OLD SCHOOL(scratch by DJ MATTO)』
F: この曲はERIC B&RAKIMの『FOLLOW THE LEADER』ってアルバムをひたすら聴いていて、オールドスクールな感じを極めたくて、頭からケツまでHOOK無しで一気にRAPしました。音質もFATで気に入っています。スクラッチは福岡でイチバンなDJ MATTO。
N: かなりタイトに攻める意味で作りました!ベースラインに拘っています!FREEZさんにMATTOさんを誘ってもらい、スクラッチのおかげで完成度が上がりました!!
■5. 『SOUTHSIDE GUNN feat.EVILZUUM』
N: これまでの曲と違い、少し悪さを出しています!元々FREEZさんからWESTSIDE GUNNをモチーフにというアイディアをもらったので、WESTSIDE GUNNの楽曲に使用されているサンプリングネタを使って作りました!ft.のEVILZUUMが最高の援護射撃をしてくれた1曲です!
F: 最初はTRAPをやるつもりでBEATを聴かせてもらったのですが、やはり気分が乗らなくて。それでも現行でイケてる最新型のビートでやりたいという事で、WESTSIDE GUNNみたいにDOPEなTRACKをオーダーしました。俺はとにかくJAWSが大好きで、HOOK UPとかでは無くイチMCとしてヤバイと思っていたのでEVILZUUMを誘いました。
■みなぎるバイブスをスピットで表現できる稀少な存在の若手ですね。最近はJAWSとは別のクルーWAVEMENTにソロと今後注目のラッパーだと思います。
■6. 『LIFE IS A MOVIE feat.Mahina Apple』- シンガーを入れるに当たってどのようなオーダーと人選で制作しましたか?
N: トラックを作る時点でこの曲が締め括りとなる曲でした。FREEZさんの勧めでMahina Appleさんに参加してもらうことになったのですが、POPさが出せた曲になったと思います!
F: Mahina Appleとは現場が一緒の事があり、LIVEを凄いエネルギーでガッチリROCKしているのを観て、一緒に曲をやりたいと思い声をかけました。Mahina Appleの声入れが後だったのですが、本当にイメージ通りの曲になりました。
■Mahina Appleさんのボーカルが少し遠目から歌いかけてくれているような印象で、「映画」のスクリーン越しに聴こえてくる感じがしました。NARISKは過去にもMahina Appleさんとも、FREEZさんは前作でMARRRさんなど、これまでも共作がありますよね。シンガーと制作するに当たって心がけている点を聞かせて下さい。
N: シンガーの方と制作する際はHIPHOPの要素といかに融合できるかを考えて作ります。曲の展開の際におしゃれなキーを入れてあげるなど、歌を引き立たせるためを考えています。
F: それぞれのシンガーに合った曲で依頼しています。この曲ならこの人に唄ってほしい、みたいに。依頼した時点で、唄声が鳴っています。福岡のシンガーはプロ意識が高いので、安心して任せられます。
■7. 『INTERLUDE』
F: インストは制作初期から一曲入れようと話していましたね。
N: これは『Life IS A MOVIE』前にできていた曲で僕からインストにしようと提案した覚えがあります!元々ラップが入るように作っていたのですが、悲し目の雰囲気で歌う曲は出尽くしていたので、この曲をインタールードに持って行きました!
■8. 『Cali』- いち早くMVとUPされましたが、どんな曲ですか?
F: 制作初期に「悲しくて。」と「Cali」を作って、絶望から始まり希望で終わるというのを考えながらアルバムを作っていきました。大好きなSNOOP DOGGの『California Roll』という曲が下敷きになっています。映画はハッピーエンドが好きなので、この曲で終わりました。
N: そうですね!SNOOP DOGGの『California Roll』はドラムフィルなどかなりサンプリングさせてもらいました。LAの人達は自分らの住んでいる地域をCaliforniaなので”Cali”と表すことがあるので、僕の好きなスヌープ=LAなので『Cali』としました!
■とても優しい楽曲で、心地ちよい着地でした。MVは二日市の街並みが中心に映っています。ディレクターのKOWA YUKIMASAとはどんなイメージで作りましたか??
F: YUKIMASAはとにかく画にこだわって、朝から晩まで撮ってくれましたね。百道のシーンで姪のエミリも登場します(笑)
N: あるがままの日常でドラマ的に撮ってもらいたいと伝えていたことを覚えています!
ソロインタビュー <NARISK>
■改めて経歴を一通りの教えてもらえますか?
N: 福岡の大学在学中に"EDOCOMIC"に出会い、DJを始めました。その辺りで同時にBeat Makeを始め、当時福岡の親不孝通りのCLUB BASEで行われていたLow end Theoryの日本版的な位置付けであった"DADAIZM"(Oil Works主催)のイベントに誘ってもらったことから全てが始まりました。(確か2012年ー2013あたりだったと思います)大学卒業後、2015年にアメリカへ留学し、2016年に帰国、その後紆余曲折がありながら、2017年に名古屋のOTAI RECORD が主催する"BEAT GRAND PRIX"(BGP)において全国ベスト3位になったことがきっかけで音楽を生業に生活することを考え始めました。そこから現在に到るまで色々なご縁があり、全国各地のアーティストと音楽を作りながら、のんびり福岡に拠点を置いて生活をしています。
■近年の主だったリリースやプロデュースワークを教えて下さい。
N:
KOJOE『2nd Childhood』へ7曲の楽曲提供
智大『弐枚目』のフルプロデュース
仙人掌『BOY MEETS WORLD Remix』へ1曲の楽曲提供
Yellow bucks『Excuse Me』へ2曲の楽曲提供
MuKuRo『N to M』All Remix by NARISK
MuKuRo & NARISK で3曲のシングルリリース
ADD CREATIVEでのアルバムのフルプロデュース(マンスリーリリース)
4月 OZ World - Hungry Alien
5月 Yellow Bucks - Light
6月 Kojoe - Bye Girl
All Beats By NARISK
https://www.youtube.com/channel/UCGazeOe1MjemEzYzs0uEJuw
FREEZ『It's Tough Being a Man』のフルプロデュース
Yellow bucks 1st Album『Jungle』へ2曲の楽曲提供
NARISK instrumental ep『My lo-fi』、『VINTAGE EMOTIONAL』のリリース
現在まだ発表できない情報が複数あるので今後の動きもチェックお願いします!
■少しフォーカスして伺わせて下さい。KOJOE氏との出会いは大きかったように思いますが、どういう経緯でアルバムに参加しましたか?
N: KOJOEさんとの出会いは2017年頃でOlive OilさんとKOJOEさんと僕の3人でご飯に行く機会があり、そこでOliveさんから紹介してもらって知り合うことができました!
そこからKOJOEさんに『here』のアカペラをもらい、リミックスをさせてもらったのがきっかけでアルバムに参加させてもらいましたね!
MuKuRoくんとは直接はあったことがないんですが、KOJOEさんから沖縄にやばい奴がいるから一緒に作りなよって声をかけてもらい一緒に制作する流れになりました!
■KOJOE氏はラッパーのプロデュースやスタジオワークも盛んに行なっていますね。一緒に仕事をしてみて、どんな刺激を受けましたか?
N: KOJOEさんはトータルプロデュースのセンスがすごく高いところに影響を受けています。普段参加させてもらう作品などでも自分の意見を伝えたりするようになりましたね。良くも悪くもはっきり言うことでいい作品に繋がるように仕事をしてます。
■続いて、ADD CREATIVEについて紹介してもらえますか?
N: ADD CREATIVEのメンバーはVideo makerの"COTA ONO”、アパレルショップ"Refugees"の"OGA"と僕の3人で進めているプロジェクトで、コンセプトは様々な人が集まって(add)物を作っていく(creative)というシンプルなものです。
■様々なプロジェクトを同時進行していますね。プライベートだと地元でセッションしたり、よく連絡を取り合うビートメイカーはいますか?
N: Oliveさん、GQさんとは良く食事に行きますね!
ARCASさんとも共同で楽曲プロデュースを行なっています!
リッキーさんというポップスをメインに作っている方なんですけど、良くランチに行ったり、あとはShigge君とも機材の使い方や飯屋などの情報交換とかしていますね!
ビートメーカーという視点からずれますが、DJ SYUNSUKEとも僕の曲にスクラッチを入れてもらったり曲を作ったりして遊んでいます!
■最近の福岡の音楽シーン、クラブシーンについてはどう感じていますか?
N: コロナの影響もあり、イベント自体がやりにくくなっている気はします。この状況が長くなることを見越してライブ配信だったり今までとは違った形で活動を続けていく必要があると思います。
福岡のラッパー、ビートメーカー、バンドなどもっと全国的に有名でもおかしくないアーティスト達がいるので、もっと情報共有をしながら一緒に上がっていきたいですね!
■アーティスト”NARISK”としての今の目標や理想像を教えて下さい。
N: トータルプロデュースが出来るようになっていきたいですね。それと自分名義の作品を世に残していくことです!?
■最近、耳を引いているアーティストや楽曲を教えて下さい(国内外地わず / 仕事抜きに)
N: チェックしているビートメーカーはKyatranadaやChaki Zulu、Flying Lotusです。
ソロインタビュー <FREEZ>
■どんな毎日を過ごしているか教えて下さい。
F: 最近はJUICEで毎月やっている【ebony’s】というパーティーのDJが楽しみですね。相変わらずBASEで毎日色んなジャンルの音楽を聴いて、インプットしています。HIP HOP全般、古いダンスホールレゲエや、GRIMEを良く聴いていますね。家でBEATを作るのにもハマっています。
■トラックメイカー “B”として再始動したと聞きました。
きっかけは、Olive Oilをキースのパーティーに呼んだ時に色々話して「狩野君またやった方がいいよ」って言われた事ですね。
制作機材は秘密にしときます。とてつもなくアナログで、ハイテクな謎の作り方をしていると思います。みんなとは絶対違う作り方。ビートのクオリティを上げて、色んなヤツらのRAPを載せたいです。
■今聴けるのはsoundcloudと販売しているBEAT集のみなりますか?
配信に一作目はUPできたのですが、二作目がサンプリングで引っかかって上げれなかったので、今の所BASEのみで販売中のCDRで聴けますね。サウンドクラウドはすぐに消すので、タイミングが合わないとなかなか聴けないかもです。サンプリングで引っかからないようにデジタルサウンドもかなり制作しています。
FREEZ sound cloud https://soundcloud.com/freezrambcamp/
■Olive Oilさんと言えば、リリースや沖縄での配信イベント【VirtuaRAW】で話題になった”710CREW”としての活動はどうですか?
F: “710CREW”は更にメンバーが増えて、制作に入ると思います。メンバーが全員個性豊かなので、刺激を受けますね。
沖縄では各自自由に遊んでいました。NEKKE2が面白かったですね。最終日には赤土のトオルがバイクで島を案内してくれました。ステーキしか食べなかったですね。
■そしてEL NINOについてはどうでしょう?【VirtuaRAW】でのFREEZ名義のソロセットはEL NINOの1stの楽曲を中心としていて、震え上がりました!昨年はMVの公開が続きましたが、リリースは予定されていますか?
F: リリースはあります。もう完成しています。面白い形になっているので、楽しみにしてて下さい。
■ソロのFREEZとして、今まさに作っている作品について明かせるものを教えて下さい。
F: 完成しているものとしては【RUFFIN’TUFF】のコンピレーションアルバムに4曲、新曲を提供しています。後NABとMANCHEESEの作品への客演も録り終えています。少し休んだら、FREEZ × NARISKの『It’s Tough Being a Man』のエンドロールとして、新曲3曲作る予定です。
■”二日市 = 2DC”、そしてCLUB BASEを知っている人に向けても改めて、現在のSHOPとしてのBASEの紹介をお願いします。
F: “2DC”は2 DAYS CITYの略で、二日市生まれ二日市育ちのラッパー椿が作ったスラング。大切に、広めさせてもらっています。
BASEは現在洋服や音源、グッズを扱うSHOPになっています。取り扱うブランドもOIL WORKS、MANAGE*DESTROY、LRDOなど、マイメンのクオリティーの高い商品を仕入れています。BASEオリジナルのグッズも制作し、街のみんなに愛用してもらっています。自分が音楽ジャンキーなので、少し音はデカイです笑
■西鉄の二日市駅西口を降りてすぐですね。お客さんはどんな人達が来ていますか?
F: お客さんは親不孝時代のBASEを知っている天神方面から来る方々や、全国からも自分のラップを聴いてくれている色んな方々が来てくれます。でも一番支えてくれてるのは、やはり二日市や太宰府が地元の方々ですね。老若男女来てくれます。街に少しは根付いてきたように感じます。浪花通りはNWA STREETともいいます(笑)
■BASEが出来てから、確実に二日市に行く人が増えましたね!月一のプログラム【WELCOME TO 2DC】についても紹介して下さい。
F: 【WELCOME TO 2DC】は凄腕DJを1人呼んで、3時間回してもらった後、タイトル通りひたすらもてなすという企画です。パーティーが終わったら来てくれたお客さんも一緒に、VAVI VAVIにて美味い飯を食い、ランバージャックにて美味い酒を呑んで解散、というピースなパーティーです。親不孝側の人達と、二日市のみんなを繋げるという意図があります。
■HOODを体現している存在だと思います。太宰府エリアはRAMB CAMPにDJ GQやREIDAMなど、濃ゆいB-BOYを生み出している街ですし、レーベルやスタジオとしての動きもこれから楽しみです!一方で、最近の福岡の音楽シーン、クラブシーンについてはどう感じていますか??
F: 俺が知らないだけで面白い動きはいっぱいあるだろうし、こんなにARTをやりやすい街はないだろうから、これからも何が生まれてくるか楽しみです。
■住みよく移動しやすい、街の距離感と酒で繋ぐコミュニティが福岡にはありますよね。最後に、最近耳を引いているアーティストや楽曲を教えて下さい。
F: とにかく毎日聴いているのはボブマーリー。最近の作品で感動したのは、RICCHO feat.MILES WORDの、「やる前にやり過ぎた」です。
(2人のインタビューに戻ります)
■他に製作中、記憶に残るエピソードがあれば教えてください。
N: 作戦会議をするごとに集合場所となった二日市の街が印象的です!街の人たちがすごく暖かくて最高でした!!ランバージャックというバーがあるんですが、そこのマスターがお酒やコーヒーに詳しくてお店に集まってくる人達も個性的な方々が多く、FREEZさんの同級生のガンビさんから色々過去の裏エピソードを聞けたのが面白かったですね!
F: 『男はつらいよ50』を、デシデラータのマスオさん、小野GODと観に行けたのはでかかったですね。寅さんがスクリーンから応援してくれたように感じました。それを観たおかげで『LIFE IS A MOVIE』の歌詞が納得行く形でできた。今回の制作は、色々と運命的なものを感じました。BASEでもゆっくり音楽を聴きながら打ち合わせもしましたね。
N: BASE内の作戦会議も無駄な時間は一切なくとてもクリエイティブな時間でしたね!もう直ぐできる二日市スタジオも楽しみです!
F: (週に1回手伝ってもらっている)BASEのおばちゃんの日に、NARISKがいきなりパソコンを出してBEATをいじり出したのも面白かったですね(笑)「ドラッグは嗜む程度」ってリリックを何度もループさせるので気まずかったです(苦笑)
N: あれはすみません(笑)
F: あれはウケたね。
■そんな2人の距離を感じない温度が伝わって来ます。昨夏からの四季を通した制作期間の間に始まったコロナウイルスの影響もあったと思います。その辺りどうでしょうか?
F: コロナの影響でfeat.のレコーディングが大幅に遅れたり、リリースパーティーを開催できない事だったり、色々とありますね。
N: コロナについてはリリースライブが出来ない事が1番影響がありますね。ただストリーミングなどのコンテンツをしっかり配信させることでクラブに行けなくても楽曲は届けることができていると思うのでいつの日か、世の中が落ち着くタイミングでリリースライブをしていきたいですね!
F: しかしSTAND BOPのRYOTA君が配信ライブに誘ってくれたり、希望はあります。
N: 今後コロナの影響は長引きますし、それに向けたライブやストリーミングの配信を強化することでリスナーとの距離を近づけて行けたらと思っています。ADD CREATIVEもアルバムとしては完成しているのですが、敢えてシングル配信を続ける事でリスナーを飽きさせないようにしていたり、音楽を幅広く届けるという意味でも形は今までとは違う流れにしていかないといけないと思っています。そういう意味で配信に力を入れているので自然にリリースが多くなっている現状もあります。
■そんな中での7/25 STAND-BOPでの初LIVEはどうでしたか??
N: 7/25のライブについてはBMJのメンバーのみんなに凄くいい形で出演させてもらい、ライブも最高に楽しませてもらうことができました。なので余計に全国をライブで回れないことが辛いです。
F: やはり生ライブは最高に楽しかったですね。どんどん良くなると思います。
■今後この2人のセットでのオファーもありなんですね。
N: 勿論です!
F: そうですね。家族が今敏感になっているので、もう少し落ち着けば、やはり県外も回りたいですね。
■今回の作品を通じて、伝えたかった事は何でしょうか?
作品の内容以外にも、例えばNARISKは地元のOGと制作してみて感じた事、FREEZさんはかつてMACHETEと名付けた男とセッションするようになって感じた事など、経験面も含めてお答え下さい。
F: 伝えたい事は、HIP HOPの表現の可能性と、人生で起こる全ての事は糧となると言う事。B級映画も面白いと言う事。名作には意味があると言う事。音楽は素晴らしいと言う事。
N: 僕はFREEZという人の懐の大きさをがっつり感じました。細かいところを気にして、ためらうこともあった自分に振り切ることの必要性を教えてもらいました。 昔から曲を送っていたこともあり、今回 MC FREEZ のサポートがしっかりできればという思いと、より多くの人に伝わってほしいという思いで普遍的な要素も詰め込み制作しました!
F: NARISKは若い頃から知っているけど、きっちりARTISTになっていたし、対等に、相当楽しく仕事できました。
■最後にリスナーにメッセージをお願いします。
N: サブスクリプションでも聞けますが、CDはジャケットの質感やCD用の音質なのでその点も楽しめると思っています!いつの時代でも共通している男女間の問題や、FREEZという男の生き様がこの作品から受け取る事ができるし、何度も聴ける色褪せない作品になったので配信と合わせてCDでも聴いてほしいです!
F: 配信メインの時代ですが、ジャケットアートワーク(by PPY)にも拘ってCDをリリースしました。是非手に取って聴いて下さい。
とても時間をかけて、細部にも魂が宿る、最高のHIP HOPアルバムが出来たと思います。つらい時、楽しい時、いつでもこのアルバムを聴いてほしい。いつもサポートありがとう。
<CD リリースインフォ>
1.悲しくて
2.B.D.B
3.UGK
4.OLD SCHOOL(scratch by DJ MATTO)
5.SOUTHSIDE GUNN feat.EVILZUUM
6.LIFE IS A MOVIE feat.Mahina Apple
7.INTERLUDE
8.Cali