DJ GQ と MC REIDAMによるTHE HOODLUMのリリースを記念して、今回アルバムの聴きどころや彼らのルーツをインタビューさせて頂きました。
-THE HOODLUM-
商業的音楽に敢然と背を向け、リスナーに媚びを売らないスタイルで自らの内面と向き合い、音楽的向上を目指す1MC&1DJ。
REIDAMのストリートライフで磨かれた哲学、美学、生き様、そして音楽への思いが詰まった言葉、DJ GQによる漆黒かつ張り詰めた緊迫感、そしてCLUB BASEで学んだソウルフルなビート。
この2人の溢れ出すセンスが交われば強烈なパワーを生み出し、聞く者に明日を生きる新たな活力を与える。 地元福岡アンダーグランドで燦然と輝き続ける二人のB-BOYの美学が詰められた原石の結晶「THE HOODLUM」、2015年始動。
DARAHA BEATS(以下D):THE HOODLUMリリースおめでとうございます。
まずはじめに聞きたいのすがこれまでお互いソロでの活動がメインでしたが 今回2人でやるきっかけは何だったのでしょうか?
GQ(以下G):俺がREIDAMに声をかけて始まったかな。 それまでも誰かと1枚アルバムを作りたいって思ってたのもあって。○○○ × ○○○とかじゃなくてちゃんとしたユニットでやりたかった。
D:なんでそこでREIDAMさんを選んだんですか?
G:俺の感じと一番あってるかと思って。
D:なるほど。REIDAMさんはその時どうでしたか?
REIDAM(以下R):即OKでした。 俺もソロで一からアルバム作って出したいと思ってたんで調度いいタイミングでした。 ソロはソロでまた色々企んでます。
D:アルバムを聞かせてもらって思ったのが1曲目が始まってからCDが終わるまで17曲もあるのに全く飽きないというか本当にあっという間に感じました。
一貫した世界観を感じたんですけど今回のアルバムのコンセプト的なものはどんな感じで決めていったんですか?
G:STRONG QUALITY、MAGIC SEEDS、HARD CORE BLACKNESS辺りが出来たくらいのタイミングでアルバムのジャケットの写真が上がってきて、その写真のイメージに近づけていった感じかな。
ダークでストリート感があってフード被りながら聞けるようなやつをイメージした。
全部で50曲くらい作ってたけど、そこから更にイメージに合うかどうかとアルバムを通してのストーリー性、あとはREIDAMのストリートっぽさをどうやって出すか、 そうやって色々と決まっていった。タイトルはすでに決まってたんで「STRONG QUALITY=いい品質」って事にかなり拘ったかな。
あとジャケットのイメージを徹底的に意識した。カヨさんの写真。
マスタリングに関してもイメージ通りのものになるように綿密に打ち合わせして、細かいところまで要望にこたえてもらった。 音圧とかももう少し上げれたけどわざと少し小さめにしてある。
D:なるほど。。GQさんの作るトラックは前作(O.Y STREET REMIXES EP)とはだいぶ変わった印象があったのですがそういう事だったんですね。
G:あれはビートを作り始めてから1〜2年くらいのもので作ってたのは7〜8年前だったから、そのときと比べるとかなり試行錯誤した。 今回はとりあえずドラムロールを集めまくって、(上ネタのサンプリング)はUKの71〜72年くらいのプログレをメインで使った。
D:REIDAMさんはどうですか?
R:俺は曲を渡されてからその曲に合わせてリリックを書いていった感じっすね。
D:REIDAMさんは他にもいくつかユニットがあると思うんですけど他のユニットとの違いはありますか?
R:なにか意識したってのは特にないんですけど、一人で起承転結を作れるのはソロならではだし、ビートメーカーと1対1だったんで話もスムーズに進んでやりやすかったです。
D:では今回、FEAT勢にN.E.N、FEIDA-WAN、BLUE PRINT、そしてクイーンズ地区からBIG TWINSが参加していますがなぜ彼らを選んだんですか?
R:今までの福岡の音源にはないものを作りたかったんでそこら辺は少し考えましたね。仲良くて俺らだから出来るメンツを選びました。
G:共通の知り合いでアルバムのイメージに合う人を考えたときに出てきたのがN.E.N、FEIDA-WAN、BLUE PRINTだった。 BIG TWINSに関しては、前にBEATを送った時に、向こうの反応がよくて一緒に曲をやろうって話をしていたので今回やることにした。
D:アルバムの製作はいつくらいから始まったんですか?
R:2014年末くらいにそんな話をしてて2015年から作り始まりました。
G:それで2015年の秋くらいには全部の曲が出来上がってた。
D:かなり早い段階で出来上がってたんですね。その中で一番思い入れのある曲はありますか?
G:俺はSTRONG QUARITYかな。最初に3曲ビートを渡した中の1曲だし、その中で一番好きな曲だったから。
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R:俺はFK&QBですね。俺の福岡、自分のルーツを詰め込んだ感じですね。
D:福岡愛ですね。
R:そうっすね。
G:あ、じゃあ俺から聞きたいんやけどどれが一番難しかった?
R:I DON'T KNOWですね。多分1番時間がかかったかなーと思います。
D:リリックを書くときはどんな感じで書いてるんですか?
R:個人的にverseの入りかたは結構気にしちゃいますね。後はどれだけ上手い言い回しでrhyme出来るかですね。
D:今回のアルバムについて聴きどころを教えてください。
R:18歳くらいから色々な土地でLIVEさせてもらったり、CLUB BASEで自然とLINKして互いのHOODでも遊ぶような俺達ならではのメンバーと曲がやれたとこです。
D:では、客演参加がある曲について詳しく聞かせてください。 5曲目「GOODFELLAS feat.N.E.N」はどんな曲でしょうか?
R:GOODFELLASってイケてるぜ!みたいなイメージもあるけど見方によってはそうも見えない人もいるって話をD.D.S君と福岡でして俺はverse書いてたけど書き直しました。笑
俺は(ラップする順番が)最初だし(同タイトルの)映画の主人公をイメージしながら書きましたね!あとは二人が別アングルからkickしてくれました!
G:俺はこの5曲目でアルバムのキャラを確定させたかった。音的にも完全に極悪なN.E.Nのイメージにぴったりで野郎しか聞けない様な曲ができてぶちあがった。
D:7曲目「THE SAME BLOOD feat.FEIDA-WAN」について聞かせてください。
R:岡山と福岡の人って言葉で説明すると難しいんですけど似てるな、と思っててFEIDA君と話してたら歴史的にも福岡のROOTSは実は岡山だったりでBASEもNo.9も似た空気だったんでこれはこのテーマかなと。 岡山までの道中を思い出しながら書きました。
G:90年代のB級アングラみたいなサイケデリックなBLACK HOODSというレーベルがあってそんな感じの曲を作りたいと思って作った曲。
D:8曲目「JUST LISTEN feat.BLUE PRINT」はどうでしょうか?
G:完全にトンネル(暗闇)を抜けた感じをイメージして作った。
R:ここ九州からっていう感じですね。けど結局「各地揺らしてまたここbring back」みたいな。福岡、熊本、そして九州 大好きです。ベレーザ!
D:15曲目「FK & QB feat.BIG TWINS」は?
G:外人にナメられないようなBEATを作ろうと思って作った曲。BIG TWINSの今までを聞いてたらこれしかないと思った。BIG TWINSもくそアガってた!
R:これは本当に地元賛歌。BIG TWINSのリリックの始まりがComing from Queensだったので俺はComing from 天神から始めようと思った。
D:他に聴きどころはありますか?
G:INTROの声ネタは「兵隊ヤクザ」というかなり古い映画の一部で、どんなシーンの声ネタを使ってるかチェックしてほしい。映画的にもくそおもろい。全体的に古臭いと思われたくないんでHIPHOPの伝統を残しつつ新しさを散りばめた。
D:伝統と新しさの融合ですね。 そもそもお二人がHIPHOPをやり始めたのはどんなきっかけだったんですか?
G:俺は中学のときにJUICEとゆう映画を見てずっとタンテに憧れてた。 それで17歳くらいのときにやっと買えて家でちょこちょこやってたら友達にイベントに誘ってもらって、 その時にOLIVEさんと知り合ってダダイズムに誘ってもらってそこから本格的にDJを始めるようになった。 ビートを作る様になったのは、FREEZさんにビートを渡したかったから。
R:俺も最初はDJにあこがれてたんですよ。けどHIPHOPの事を話せる友達が周りにあまりいなかったんでラップをやってる先輩が働いている洋服屋によく遊びに行ってました。 そしてその洋服屋で働くようになったんですけど、店の前で先輩たちがサイファーをやってたのでその流れで俺も自然にラップをやるようになってましたね。 そこから色んなイベントに遊びに行って刺激を受けましたね。 そこでPOCKY、BAX、BASHI THE BRIDGE、MANCHEESE、DARK HORN君とフィールして毎日遊ぶようになって本格的にラップを始めました。 そのメンバーは今でも特別な存在です。ちょうどUMBなんかも始まった頃でした。
D:そんなルーツを持つお二人が現在もHIPHOPに夢中になる魅力ってのは何なんでしょうか?
R:エネルギーに満ち溢れている音楽と思うし、RAPもBEATも人柄とか自然と出ますよね。嘘がないし嘘のつけない所っすね。
G:俺はHIPHOP美学というか、マイメン思いだったり、男らしくて頑固なところだったり、未完成な音楽と思うんでそういう人間味があるところが好きです。
D:なるほど。先ほど少し話も出ましたがUMBを始め、REIDAMさんは色々なバトルでも活躍されてますよね。バトルに関してはどんな風に考えていますか?
R:正直、そこまで(意識してない)って言うかやっぱり曲作ったりLIVEしたりの方が今の自分は好きですね。
D:ではアーティストとして好きだったり、気になってる方はいますか?
R:親不孝通りの先輩達は結構くらいましたね。同世代だとCOCKROACHEEE'Z。
G:俺はFREEZ、DDS、同い年のDUSTY HUSKY。あとは鹿児島のKIRIもやばい。
D:では地元福岡のシーンって現在はどんな感じですか?
R:BASEがなくなって以降やる人とやらない人がはっきり分かれましたね。NF ZESSHOやDEP FROG、DOBERMANは若手の中で勢いありますね。
G:やる気があるやつらは残っとうよね。 俺とREIDAMはずっとソロでやってきた中で今回「THE HOODLUM」を組んだんで、このアルバムで終わりではなくこれからも作品を出していくつもり。もちろんソロでも出す。
D:福岡はアーティストが多いので若い人もベテラン勢も更にリリースが活発になっていけば今後の福岡のシーンが更に面白くなっていきそうですね! 今回は色々答えていただきありがとうございました。 では、ここまで読んでいただいた方に何かお願いします。
R:是非ライブを見に来て欲しいです!
5/20 THE HOODLUM RELEASE PARTY
RELEASE LIVE : THE HOODLUM
SP GUEST LIVE : N.E.N , FEIDA-WAN , BLUE PRINT
SP GUEST DJ : DJ RYUHEI , DJ VALLY
DJ : SHOE , SKINNY , GERMM , YMG , U-RIDE
LIVE : PRIDE MONSTER FAMILIA , NF ZESSHO
PHOTO GRAPHER : CAYO IMAEDA
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